1つの作品1人のこども
1つの作品や1人のこどもにスポットをあてて紹介
『春日市長賞(2位)』の春日東小3年 美鈴ちゃんの作品 2023-11-16
傾き・重なり・空間、構図の基本が見えます
「春日市弥生の里児童画大賞展」『春日市長賞』(2位) -みんなで歌える未来-
春日東小3年 美鈴ちゃん
人物が大きい、前後に11名の人物を描いていますが、前列の5名が全て。右から2番目と3番目の子が主役。
2番目の子は顔がやや上がり体が傾斜しています。
その左の3番目の子は逆に前に少し傾いています。
4番目の子は顔が半分重なっています。
逆に2番目の子と3番目の子の間に空間があります。
大きく開けた口、目をつぶっている子、よそを見ている子、メガネをしている子、ヘアバンドの子・・・いろいろ変化や工夫があります。
そして、墨汁の線を意識したていねいな着色。墨汁の線が見えたり隠れたりしています
吐出した発想力の下描き! 美しが丘 6年紗慧ちゃん 2023.10.1
まずは「ファミリー!家族」1枚目下描き
多くの子が頭が上で体がしたのごく普通の人物を描きました。
ところが6年紗慧ちゃんは頭と体が横位置です。
「どうすれば面白い構図になるか」「どうすれば普通でない構図になるか」を考え抜いています。
紗慧ちゃんは5月から12月まで8ヶ月順番待ちをして1年生の1月に入会しました。
「学校生活に少し慣れてから入会させようとしたら順番待ちでした」と入会の時お母さんが言われた言葉を今でもよく覚えています。
この頃から順番待ちが続くようになり半年以上待ったのは紗慧ちゃんが最初だったと思います。
入会後すぐに描写力と個性があるのがわかり、以後入賞の連続です。
ただ、「弥生の里児童画大賞展」のテーでは2年連続して、「ストーリー性が乏しい・なんで先まで考えて下描きしないのか・先まで考え計画すればもっといいストーリー性のある絵になるのに・・・」と。
しかし、もうすぐ6年生の卒塾を目前にしてこの作品です。
いくつかの写真を向きを変えながら組み立てているのだと思います。
3つの顔を見てください。
一番下と真ん中にすき間をいれています。
真ん中と一番上は重なっています。
そして、一番上だけがこちらを見ています。
3つの手を見てください。1つは足の下に、あと2つは一番下の子の頭と顔に重なっています。
見事ですね。
僕が常々伝えたことが活かされています。
そして、2枚目の下描きです。
誕生ケーキを顔が取り囲んでいます。
僕は透明ガラスのテーブルの下から上を見た作品と思いましたが、発表会で衛司くんが「箱から覗く顔とケーキがすごい」と・・・そうかも知れませんね。
四角い枠はケーキが入った箱かも知れません。
そう考えると益々面白い下描きの構図に引き込まれます。
伸びる2本の手、重なる5つの顔・・・魅力あふれる力作です。
強烈個性の極み 春日教室 2年彩笑ちゃん ① 2023.9/20
さえちゃんが入会したのは1年生の2023年2月、「手のある自画像Ⅱ」が最初の作品。
傾斜した顔と上半身、線がとても柔らかい、魅力あふれる自画像。
背景も最初の作品からしっかり描いてるところもみらなうべき点です。
自画像は下描きから魅了されます。
墨汁の線を最初から強弱使い分けています。
肌色の分割が素晴らしい
この頃は1年生なので何も考えずに塗っていたはず。
もう一つの着目は、原色が全くないこと、すべて混色して自分の色をつくっています。
墨汁の線を踏まないようていねいに着色ができています。
素晴らしい「自画像」です。
「手のある自画像Ⅱ」、自画像はやはりいいです。
強烈個性の極み 春日教室 2年彩笑ちゃん ② 2023.9/21
ここから超個性の作品が始まります。
2作目がゾウですが、1作目と変わらぬ描き方でしたので、この子の個性だと感じました。
「この強烈な個性を壊さないようしなければ」と思ったのもこの頃です。
ゾウは2枚目がありますが途中で終わっています。
時間があるとき続きをさせたいですね。
3作目 「カメ」
カメはもちろん背景にも墨汁の分割線が入り始めました。
色鮮やかでとても美しいです。墨汁の分割線がとても多いです。
この分割線がいいのかどうかは不明。
1作目の「手のある自画像」は顔の中に墨汁の分割線がありませんが、素晴らしい色で分割しています。
何を描いているのかわかりにくいところが難点。
また、顔のいろも最初から色分けをしながら塗っているのではなく、後から青や黄が入ってなじまない違和感があります。
スケートボードの黄色い縁取りも最後にしたようで違和感がある。
もっと早く着色を止めるべきであったような気がする。
最終回、みんなに「最後まで粘れ」と言っていたのでさえちゃんもそのまま頑張らせた。
この辺の調整が難しい。
最終回を待たずに終了させ、墨汁の線がしっかり残った。
色はとてもいいが顔や服などに「色による分割」がなくなっている。
もう、作風の変化があるのだろうか。
特徴の「色による分割」がなくなると超個性もなくなる。
見事な三部作 美しが丘教室 6年菜月ちゃん 2023.8
今年の冬の課題「手のある自画像Ⅰ」です。
菜月ちゃんが1・2年生の頃に教えた技法コラージュを使っています。
その技法を思い立ち見事に使いこなしたことで、大変重厚な自画像になりました。
グレーの服、色の良さとグレーの中に半分輪郭線が消え溶け込んでいるところは見応えがあります。
悪くはないですが、そこまで魅力を感じないのは左右対象に思える構図が原因でしょうか。
この作品もコラージュを使っています。
また、今年の夏の特別講座lesson1・2の技法も使いこなしています。
向きの違う手が重なりうつぶせる女の子。
見事な構図です。
コラージュを使っています。
こうして3作を並べると「見応えのある三部作」になりますね。