画塾では技術・技法はごく基本的なものしか教えません。
子どものうちから技術・技法の習得に走るとせっかくの個性が半減すると考えるからです。低学年の1・2年生は大きく・伸び伸びと描いてほしいです。描いたものがひっくり返っていてもいいのです。線がゆがんでいてもはみ出していても、隣まで絵の具が入ってもいいのです。その子にしか描けない作品であるなら。
高学年の5・6年生には少し高度なものを要求します。線と色の強弱、鮮やかさと濁り、重なりと奥行き、遠近、重ね塗りと色の深みなど・・・たくさん考えさせられるのが高学年です。
【課題1回目下描き】
下描きの構図から考え始めます。画用紙は縦がいいのか横がいいのか、主役はどの大きさでどこに配置するのか、向きはどうか、空間は適切か・・・
【課題2回目発表会】
下描きがようやく終わると下描きの画用紙をホワイトボードに貼りみんなの意見発表が始まります。「どの絵が面白い・・・」「いいねと思う絵はどれ・・・」うーん・・・子どもたちはしばらく考えます。私のその問いに子どもたちは手を上げ発表を始めます。手が上がらない子どもには時間をおき、こちらから指名して意見発表してもらいます。みんなの作品を見て、みんなの意見を聞き、自分も考える、この「発表会」で「構図」の意味、「面白い絵」が理解でいきます。
【課題3・4・5回目着色】
パレットに青の絵の具をだし塗っていると、「自分の青をつくろう」と声かけします。チューブから肌色をだし塗っていると、「自分の肌色をつくろう」と声がかかります。肌色にも「赤い肌色」「青い肌色」「黄色い肌色」「白い肌色」「黒い肌色」・・・いろいろな肌色があるのです。自分の色を作ることが着色の基本になります。この基本に濃淡・強弱・ぼかし・シミ・重ね塗りなどが加わり『その子の持つ着色の個性』につながります。
着色も考えることだらけです。 2020-2
画塾は当初17時半頃から始めていました。
人数が増えるにつれて久留米・鳥栖・福岡市・志免町などからの問合せが増えるようになりました。遠方からの問い合わせ内容の多くは「開始時間が早すぎて間に合わない」でした。
5年ほど前より遠方からも通えるように開始時間を遅らせ18時45分に3教室統一しました。また、多くの子どもが宿題・明日の準備を終え、夕食をすませて画塾に通えよう開始時間を18時45分にしています。1年生は少し無理があるかもしれませんが、何人もの1年生が画塾に通ってきています。
各地域に絵画教室はあります。しかし、画塾は特異な存在の絵画教室と思います。特異な存在を求めて来られる遠方の方(少人数ですが「絵が好きな子どもは大切にしたいと思います)優先に開始時間を設定しています。2020-1
課題2回目の「発表会」は宝箱
課題の2回目は「作品発表会」と下描きの修正。
最初の15~20分に各自発表や作品についての感想や意見・質問。
この時間を重ねることで「おもしろい作品」と「構図」の意味がわかりはじめる。
作品を前にみんなで「面白い作品」「いい作品」を発表してもらう、この発表会が大変重要で「構図」の意味や「動き」「空間」「重なり」など徐々に理解していく。
1年後にはほとんどの生徒が自分の意見を発表できるようになる。その発表会でみんなが言うことはほぼ当たっているから面白い、講師の私がつべこべ言わずとも作品の善し悪しがみんなの発表を聞いているとわかるからすごい。
「子どもが絵に集中する教室環境!!」
画塾の教室環境は財産です
理想の教室環境とは
子どもたちはおしゃべりができる楽しい教室が好きです。
お母さん方はどうでしょう。安心できる・子どもが伸び伸び活動している・子どもが喜んで通う・・・などではないでしょうか。
画塾はおしゃべりができるのは5分休憩の時だけです。静かに黙々と絵画制作活動に集中しています。
おしゃべりはできませんが多くの子どもが長続きします。2年以内にやめる子どもはごく少数です。目標を持ち達成できる喜びがあるからだと思います。
おしゃべり(私語)がない静かな教室環境(画塾の特色)は優れた「いい作品」を生みます。コンクールに出品し入選・入賞そして表彰式を経験することができます。それは「自分の良さ・優れた力」を確認することで「画塾がめざすもの」や「今を輝き楽しむ」ことです。
中学校教員時代(38年間)教室環境がいかに学力に結びつくか多く経験しました。教室内で日常的におしゃべり(私語)があると集中力に欠け学力が伸びません。学力=教室環境といっても過言ではありません。
画塾の教室環境を作るのに3~4年(教室によって異なります)かかりました。
この教室環境は財産です。
また、この教室環境に協力していただいている保護者の皆様に感謝しております。2019-4
画塾は”親子の二人三脚でもある”と最近つくづく思います。
課題の下描きに必要な写真や本を準備するのは大半が親でしょう、そこで問われるのがセンスである、どんな写真を選ぶのかが下描きに直結します、また、親が「これはいい」と思い用意しても子どもがうまく描けなかったら何にもなりません。「うまく描けるであろうか」としっかり考える必要もあります。写真が1・2枚しかなく難しい場合は低学年の生徒は特に苦労しています。最後までうまくいかないケースが多いです。低学年は単純ものがいいです。また、写真なら何枚も準備すべきです。うまくいかない場合は別の選択肢をたくさんつくっておくべきです。 2019-12
お母さん・お父さんが熱心さは子どもたちにとって大きな力
各教室、迎えの時ほとんどのお母さんやお父さん時にはおじいちゃんが、教室の中まで入り最後の5分10分を見学されます。
※最近は美しが丘教室・春日教室は満席の状態が続き入りづらい状況が続いていることを大変残念に思います。2019-12
以前から「迎えに来たとき教室に入ってください、見てください」とお願いしています。特に南ヶ丘絵室はほとんどの方が2階ホールまで上がって来られます。お子さんの様子を見たり一緒に片付けたり、作品の進み具合を確認したりすることはお子さんの教室での意欲に結びつきます。
子どもにとって最も認めてほしい存在はお母さんやお父さんであるからです。
「お母さん・お父さんの声」はこちらです。
講師は元中学校美術教師、子どもたちの力をぐいぐい引き出します
小学生を指導するにあたって「何を題材にするか」このことが難しく低学年ほど悩みます。
「 自由に描きなさい」「思うように描きなさい」・・・これでは子どもは何をどこからどのように始めたらいいのかわからず、最後には『絵は苦手だ。嫌いだ。難しい』となってしまいます。 子どもが関心を持つがんばろうと思える題材を選び、主役をはっきりさせたり部分・全体をイメージさせるなど・・・『ここから、○○をこのくらいの大きさで描き始めたらうまくいくよ』とスタートや途中のポイントも示してあげると、あとはぐいぐい描いていくものです。
1年目はあくまで基礎基本です
画塾では年間7~8回 県内の絵画コンクールを中心に出品します。
しかし、すぐに入選や入賞するとは限りません。1年目からの上位入賞はまれです。むしろ1年目は入選しなかったり数少ない入選程度が普通です。やはり時間がかかるのです。
1年目はあくまで基礎基本です。お子さんの力が発揮できるのは、2年目3年目からです。
1年に1つの「入選」をめざし楽しく通うことが大切
1年目はあくまで基礎基本です
画塾では年間7~8回 県内の絵画コンクールを中心に出品します。
しかし、すぐに入選や入賞するとは限りません。1年目からの上位入賞はまれです。むしろ1年目は入選しなかったり数少ない入選程度が普通です。やはり時間がかかるのです。
1年目はあくまで基礎基本です。お子さんの力が発揮できるのは、2年目3年目からです。
1年に1つの「入選」をめざし楽しく通うことが大切
展示会場にはたくさんのヒントがある
他の人の作品をしっかり見ること、展示会場に足を運んで選ばれた作品を見ること、会場の選ばれた作品の中にたくさんのヒントがあるはずです。構図・大胆さ・繊細さ・着色・色使い・色の濃淡・色の分割・線の強弱・・・
どんな絵を描けばいいのか
「おもしろい絵」と「いい絵」
同じようなもですが、画塾では使い分けています。
作品のどこかに良さがあれば「おもしろいね」と私は表現します。または「いいね」ということもあります。良さをどこかに発見してやることが子どもにとって次のステップにつながります。
「おもしろくなりそうだね」「おもしろくなつたね」など良さを見つけたときの褒め言葉です。
ただ、困ったことが時々おきます。
【発表会】で「おもしろい絵はどれ」と子どもたちによく聞きます。「おもしろい=変な」と勘違いするする子どもがでて「滑稽な絵」を描きます。しまった・・・。連呼しすぎるのもいけないと反省してしまいます。
「おもしろい」の反対には「普通」だね、「普通だからおもしろくな」言います。何も言わないこともあります。生徒によって使い分けることも大切です。
完成したときいいところがあれば「おもしろい絵だ!!」もっと良ければ「いい絵だ」「いい作品だ」と伝えます。
私の中では「いい絵」がだいぶ上の存在です。